50歳からの男と女の話

profile：
内田游雲（うちだ ゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトは、恋愛をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」や運をテーマにしたブログ「運の研究－洩天機－」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）

恋愛とは、言葉の織りなす美しき幻影のようなものだ。
外見や地位ではない、男の色気は「話し方」にこそ宿る。
五十路を過ぎた男には、余計な飾りを排した重みある語りが求められる。
柔らかに、それでいて芯のある声音が相手の心をつかむのだ。

ただ無造作に言葉を並べるのではない。
深く聞き、沈黙すら味方につけ、相手の想いを導き出すのだ。
相槌ひとつ、視線ひとつ、それらが繊細な力を持つことを心得ておく。

その上で、相手の心に響く言葉を選ぶことが肝要である。
表層的な会話ではなく、相手の感情を優しく掬い上げる話術が、男の色気を決定づける。
「この人と話していると心が安らぐ」
そう思わせることが、モテる会話の目的なのだ。

また、話し手としての品格を示すためには、言葉遣いや話の構成にも気を配るべきである。焦りや浅薄な駆け引きは、成熟した関係には不要だ。
会話を通じて、信頼を深め、自然な形で惹きつけることができるようになれば、真の魅力が開花する。

人間は、己の語る言葉の中に生きる。
長く生きた者ほど、その声には歴史の重みが宿る。
思い出も苦悩も、声を通じて形を成し、語られることで己の存在が確かめられる。

故に、モテる会話の仕方の基本は己が語ることではなく、相手を語らせることにある。
「話す二割、聞く八割」
これこそが、会話の究極の形である。

相手が気持ちよく語り続けること、それはすなわち、自らを心地よい存在として刻ませる術でもある。

相手の話を引き出すためには、共感を込めた相槌を打ち、適度な沈黙を活用することが大切だ。
沈黙の間に、相手の内面はより深く掘り下げられ、語りたい衝動が増す。

時に
「それはどうして？」
と問いかけることで、相手は無意識に心を開く。

二人きりで向き合えば、一時間もあれば相手を丸裸にできる。
もちろん、物理的な話ではない。
相手がどこで生まれ、どんな人生を歩み、どのような傷を抱えているか。
心の奥底に沈殿した情念が、言葉の中に滲み出てくる。

相手の心の中に潜むドロドロとした感情や、心の底にある欲望まで吐き出させることができれば、その瞬間、強い絆が生まれる。
深く語ることで感情のバリアが崩れ、時には涙を流すことさえある。
二人きりの静寂な空間であれば、相手の内面はより赤裸々にさらけ出される。

ここまで心を開かせることができれば、その後の関係は自然に深まる。
付き合うことも、さらには肉体関係を結ぶことも、もはや難しいことではなくなる。
モテる会話の仕方とは、相手を無理に説得するものではなく、語らせることで惹かれる仕組みを作る技術なのだ。

会話は舞踏のようなものだ。
相手の流れに沿いながら、リズムを合わせ、時に間合いを詰め、時に余韻を残す。言葉の波に身を任せ、焦らず急がず、相手が話したくなる空間を作り出すことが重要である。

会話を進める際、ただ言葉を交わすのではなく、相手の思考の流れに寄り添いながら導くことが肝心である。
相手が高揚し、話の勢いが増しているときは、そのまま余計な口を挟まずに聞き手に徹することが大切だ。

相手が感情を込めて語る瞬間は、まるで波が盛り上がるようなものであり、無理に割り込むとその流れが途切れてしまう。

「話す二割、聞く八割」を意識しながら、相手の話のリズムに乗ることが大切だ。
時折、話が一区切りついたと感じたら、次のテーマへと自然に誘導する術を持つべきである。そのためには、相手の話の中からキーワードを拾い、新たな話題へと橋渡しをする。
己の言葉を抑え、相手の声の響きを楽しみ感情のうねりに身を任すことだ。

会話には、
「相手に聞いていいこと」
「聞くと失敗すること」
が、それぞれある。

それをきちんと見極め、聞いていい質問だけすることが重要だ。
これは、相手との距離感の問題でもある。
最初からプライベートすぎる質問をするのはNGだが、ある程度親近感が出てきたら、ストレートに聞いても問題ない。
特に相手の心の奥深くに入り込みたければ、時にはあえて踏み込んだ質問を投げかけるほうが良い。

「どんな夢を持っているの？」
「これまで一番嫌だったことは？」
こうした問いかけは、相手に深く考えさせ、自分自身を見つめ直させる。
そして、話しているうちに、より自分を理解してくれる相手だと感じ、信頼を寄せるようになる。

もうひとつ大事なのが表情だ。簡単に言えば、笑顔と真顔の使い分けである。
相手が楽しそうな話なら笑顔で聞く。
相手の話がシリアスになれば、真顔で聞く。
この二つを使い分けるだけで、会話はどんどん勝手に盛り上がっていく。
といっても、相手がどんどん話を勝手に盛り上げていってくれるだけだが。

時折、相手の語りの隙間に優しく問いを挟む。
「それで？」
「どう思った？」
こうしたささやかな問いが、相手の心をさらに開かせる鍵となる。

恋愛とは、大海の波の如しだ。
時には激しく、時には穏やかに、予測不能なうねりを見せる。
だからこそ、相手の言葉に耳を澄まし、その波の揺れを肌で感じ取らねばならぬ。

モテる会話の仕方を習得すれば、自然と恋愛は深まる。
無理に舵を切るのではなく、相手の話に寄り添い、必要なときにそっと手を添える。
それが信頼を生み、ひいては愛へと昇華される。

焦ることなく、沈黙すら味方につけ、言葉の妙を尽くす。
それこそが、大人の恋愛を制する究極の技法なのだ。

さらに、モテる会話の仕方を極めるには、言葉だけでなく仕草や態度にも気を配ることが求められる。
視線の交差、微細な仕草、触れるか触れないかの距離感
それらすべてが恋愛の波を操る鍵となる。