女性の貧困社会における男性の役割
女性の貧困は、見逃されがちなのだが大きな問題になっている。今の世の中には、どうにもならなくなってしまった女性たちが溢れてしまっている。そんな生活を強いられて理不尽な人生を送らざるを得ない女性の為に、男性はぜひ逃げ道になって欲しい。男は女の為に、強くならなければいけない。そんな基本的なことが出来ていないのが今の日本なのである。(内田游雲)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトは、恋愛をテーマにしている。他にも、この世界の法則や社会の仕組みを理解しスモールビジネスの経営を考える「気の経営」や運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
経済力を持つ男が必要だ
シングルマザーや高齢者の貧困について、私たちは毎日のように目にする。なかでも、女性の貧困は、どうしても見逃されがちなのだが大きな問題になっている。こうした理不尽な人生を送らざるを得ない女性の為に、男性はぜひ逃げ道になってあげて欲しい。人間というのは、先に希望が見えたら、もう少しがんばれるようになる。その手助けをしてあげるのが男性の役割になっている気がするのだ。
「女はいいよ、結婚すればなんとかなる」
昔は、社会全体からそう思われていた。もちろん男性や、当の女性たちでさえそう思っていたのだが、今の時代には、どうにもならないのが現状なのだ。
そもそも、結婚したとしても相手に安定収入があるとは限らない。相手の会社が倒産することもあり得るし、不仲になって離婚することも数多く見かける。現代社会は何かをきっかけに道から転げ落ちてしまうのだ。
現代において、女性が誰かに頼って生きていこうとするのは、自分ひとりでがんばって生きていくより、かなりリスクが高くなっているといっていい。そして、今の世の中には、こうして、どうにもならなくなってしまった女性たちが溢れてしまっている。
道を外れてしまった女性たち
今のこの国では、一度「正社員」の道をはずれると、安定収入は得にくくなる。自分のせいでなくても、道をはずれざるを得ない人もいる。そんな社会の荒波の中で、つつましく生きている女性たちが沢山いる。それこそ、「地べたを這いずり回っているような生活」を強いられている女性たちだ。
介護に追われたり、離婚したりした場合、公営住宅で親とふたり暮らしとか、親子でつつましやかに暮らしている女性は、増える一方だ。
しかし、その反面、収入を得る道はかなり厳しくなっている。今は、アルバイトも、なかなか長時間できない。これは、制度の問題で、企業は、社会保険などの負担を減らすために、勤務時間を制限している。そのため、一カ所の仕事だけでは、ただ生きていくだけの収入すら得にくいのだ。
多くの女性が、二つ以上の仕事をかけもちしている。午前中は弁当屋、午後から夜はファミレスなんてのは、ざらにある。しかし、それだけ働いても、手取り15万にもならない。家賃と光熱費を払ったら、公営住宅といっても、切りつめてなんとか食べていける程度だ。
こうした生活を、先の見えないまま続けていると、
「いつまでこんな生活が続くんだろう」
そう思うと、本当に体だけじゃなくて、気持ちが疲れてしまう。
そんな状況に置かれた女性たちは、
「ときどき、すべてを捨てて逃げ出したくなる」
そう感じている。
もちろん、実際にすべてを捨てる女性は稀だが、それにしても現実があまりにも厳しすぎるのだ。そんな感情を押し殺して、一生懸命働いている女性を想像する度に、胸が痛くなる。
女性が頼れる男を求めている
日常生活を送るだけ手一杯。
体が重くても、だるくても、仕事に行かなければ食べられない。
かといって頼る人もいないし、息抜きできるほどの金もない。
一度、道から外れてしまった女性にとっては、自分が辞めたくて仕事を辞めたわけじゃないけど、おそらく正社員に復帰することはほとんど無理なのだ。さらに、結婚はおろか、恋愛すらできない環境に置かれた女性が多くいる。倫理的な善悪ではなく、もはや、社会の仕組みそのものが壊れてしまっているのだ。それが今の日本なのである。
それは誰の責任かというと、間違いなく政府の責任なのだが、いまさら、そんなこといっても何も変わることはない。そんな生活を強いられている理不尽な人生を送らざるを得ない女性の為に、男性はぜひ逃げ道になって欲しい。もちろん、その為には、男性は経済力をつけ、多くの問題を受け止める度量を持つ必要がある。しかし、それは、男性としてのあたりまえの義務だと思うのだ。
男は女の為に、強くならなければいけない。
そんな基本的なことすら出来ていないのが今の日本なのである。