恋愛の新しいカタチ
結婚後もずっとパートナーに恋愛感情を持ち続け、夫婦ともども愛し合って生きることは、とても素敵なことである。しかし、現実の世界においては、それは、とても難しい。なぜなら結婚と恋愛は、そもそも相反する性質を持っているからである。結婚制度は、人間の本能に抗うシステムである。だから、世の中から不倫が無くならないのだ。(内田游雲)
結婚制度が内包する矛盾
結婚後もずっとパートナーに恋愛感情を持ち続け、夫婦ともども愛し合って生きることは、とても素敵なことである。誰もがそういった結婚生活に憧れているだろう。そうした夫婦はお互いに信頼しあい、成長しあうことで、最高の関係を築いている。まさに、人生の理想と言っていい状態である。
しかし、現実の世界においては、それは、とても難しいことだ。なぜなら結婚と恋愛は、そもそも相反する性質を持っているからである。
世の中の既婚女性は、全員が満たされて幸福なのだろうか?
インターネットでのある調査によれば、既婚女性の5人に1人が不倫状態にあるといわれている。実際に不倫にまで進まなくても、不満を抱えている女性は、それ以上に存在するはずだ。
はっきり言うならば、男女間の恋愛とは、多くの場合、たいてい4年ほどで終わってしまうものである。つまり、結婚して4年もたつと、夫婦間で恋はできなくなってしまうのだ。これは、その夫婦の間に愛があったかどうかではなく、もともと、人間の脳は「飽きる」ようにできているからである。
既婚男女のほぼ100%のカップルは、結婚前には、
「いつも一緒にいたい、ず~っと一緒にいられたら、どんなに素敵で幸せだろう。」
そう考えていたはずだ。
しかし、4年もたてば、愛の炎はやがて細くなり、しまいには消えてしまう。そもそも、愛の形そのものが、結婚することによって、安定、平安、安らぎといった枠組みに置き換えられていく。
さらに、子供ができれば、親としての自覚や責任も生じてくる。そうした感情と燃え上がるような恋愛感情とは、まったく相反するものなのである。
会いたいけど会えない。いくら求めてもどうにもならない。こうした感情や状況こそが恋愛感情を燃え上がらせていくものだ。そうれとは真逆の制度である結婚は、人間の本能に抗うシステムなのである。だからこそ、世の中からは不倫が無くならないのだ。
結婚は繁殖を抑え込むシステム
結婚とは、人間が社会生活を営む上において、非常に合理的なシステムといえる。
人間は、動物の中では、もっとも未熟な状態で生まれる種である。多くの哺乳類は、外敵から身を守るために、生まれてすぐに立ち上がるように進化してきた。しかし、人間の赤ちゃんは、動物としては、極めて未熟な状態で生まれてしまう。立ち上がるどころか、寝返りすら打てないほどの未熟な状態だ。
これは、未熟な状態で産み落とさないと母体が持たないからだと言われている。だから、人間の子育てには、多くの手間と時間がかかることになったのだ。そこで、結婚という社会的枠を当てはめることによって、妻を家庭に引き留め、子育てをさせるような仕組にしているのである。
さらに、人間の雌は繁殖のために年に1回しか妊娠できないが、雄はすぐによそで繁殖をすることができる。これを防ぐために、結婚という枠、戸籍という枠で縛ることにより、オスの繁殖を抑え込んでいるのだ。
これが反面、多くの既婚女性は、夫から満足を与えてもらえない心のモヤモヤを抱えているばかりか、何もない日常に飽き飽きしている状態を作り出してしまっている。だから、結婚して愛が醒めてしまうと同時に、夫あるいは妻との恋愛関係も終焉を迎えてしまうことになる。
友達以上恋人未満の関係
しかし、いつまでも恋をしていたいが人間の本能である。これは、結婚によっては、なかなか満たされることができない。しかし、年齢を重ねたことによる異性に対する魅力は増してくる。つまり、むしろモテるようになっていく。
だったら、たとえパートナーを愛せなくなってしまったとしても、新しくときめく相手がいたほうが実りある人生になるだろう。そこでおすすめなのが、あなたの魂を満たす異性の友人を作り人生を楽しむことだ。
最近、セカンドパートナーという、新しい間柄が話題となっている。セカンドパートナーとは肉体関係のある不倫をすることではなく、一緒に豊潤な時間を過ごし、共通の趣味や価値観を分かち合える精神的な恋愛関係を築いていくものだ。
結婚をしていても、ふと恋に落ちてしまうことはあるものだ。そして、その恋を進めてはいけないこともある。そんなときに、「プラトニックな関係=友情を築築く」という友達以上、恋人未満でとどめておくことも、大人の知恵であるのだ。